5%な私と時々猫。

食事療法・本や猫・日常を綴ります。

飛べない鳥

私の職場には、6、7年前にツバメが巣を作って、毎年来ては卵を産み、子供たちが巣立っていきます。


今年も来てくれて、今、2回目のヒナたちが巣立とうとしています。


1回目は過去1少ない3羽。

2回目の今回は、例年通りの5羽でした。


その中の1羽のヒナが、生育が遅れているのか飛べずに地面で困惑したように降りていました。


4日前のことです。


私を含め、職場のみんなが様子を見守っていました。


その子だけ飛べない為、餌が貰えません。


そのせいで育ちが悪く、さらにみんなから取り残されます。



夕方になり、ヒナたちが巣に戻る時間が迫ってきます。


自然に反するので、非難されても仕方がない事なのですが、職場の人とも話し合い、私はビニール手袋をはめた手でヒナを掴み、ミニバケツに入れ、4メートルくらいの高さにある巣へ、はしごを登って戻してあげました。


他のツバメたちからの視線が痛かったですが、しばらくすると、飛べないヒナに寄り添うヒナが…。


ひとまず安心。



次の日。


他のヒナ達につられてまた地面へ…

飛ぶ練習をするも、羽根が出来上がってないようで飛べず。


職場のみんなで取り囲んで観察したり水を飲ませたり…。

(何度も確認にいって観察したりしてました。)



お昼すぎ、カラスに見つかったので、また私はビニール手袋をはめてヒナの元へ。


手を差し出してみると、あっさり乗ってきました!可愛い。

手乗りツバメです。

カラダの軽いこと!


以前、何度かセキセイインコを飼っていたのですが、インコよりだいぶ軽い感じがしました。


またバケツを手に、前の日と同じように巣へ。


夜、他のヒナもみんな一緒に巣の中に入ってくれました。



次の日は、他の店への応援だったので、会えず…。



そして、昨日。


14時に出勤すると、ヒナの行方がよくわからず…


他の人が飛べるようになったんじゃないか、と言うのでよかった、と安心していました。



夜になり、巣を見ると4羽。


嫌な予感がして、4日前に一度一瞬落ちた分離槽を覗くと、ヒナが…


ショックでした。


本当にショックで悲しかった。


死んでしまったこともですが、こんな汚い水の中で死なせてしまったことが。

本当にショックでした…


まだ、自然に逝ってしまうなら、こんなに悲しくはなかったかもしれません。


私の職場のツバメの巣は、すごく敵に狙われにくい環境だったので、ヒナはみんな元気に巣立っていっていたので、ヒナが死ぬのを目の当たりにしたのは初めてでした。


運命と片付けてしまえばそれまでですが、懸命に生きていた命が消えてしまうのは悲しいです…


自然界は厳しいな、と改めて痛感しました。



上手く生きられなかったけれど、1番記憶に残ったヒナちゃん。


生きていることに越したことはないけど、ツバメの季節が来るたび思い出すでしょう。



人間も、上手く生きられない人こそ、記憶に残る人であればいいな。



要領良く生きられなくても、誰かの記憶(心)に残れたらいいなと思いました。



暗い内容になってしまいましたが、懸命に生きた命を讃えたいと思います。



貴重な体験をありがとう。


また、どこかで会えるといいね。