【読んで良かった小説】✳︎✳︎密やかな口づけ✳︎✳︎ 吉川トリコ・朝比奈あすか・南綾子・中島桃果子・遠野りりこ・宮木あや子
以前、Amazonで私の好きな作家さんの宮木あや子さんを検索して出てきたアンソロジー本、「密やかな口づけ」
宮木あや子さんの本はあまり、書店に置いていないので、最近はAmazonで探しています。
(私の好きな女性作家さんは書店に置いていないことが多い…)
この本には、6人の作家さんの作品が収められており、順に
・ポルノ姫 吉川トリコ
・星屑おっぱい 朝比奈あすか
・つばめくん 南綾子
・妄想RUN 中島桃果子
・蜜しぼり 遠野りりこ
・指と首 宮木あや子
というなんとも異様?な題名が続いております。
本の裏の説明文に、官能アンソロジーと書いてあるように、出てくる登場人物は、売り飛ばされてきた娼婦、大きい胸をもてあましている女性、SMの世界に足を踏み入れてしまった地味な女性だったり…独特な世界観が広がっています。
説明がヘタなので、あらすじは省かせてもらうのですが、官能アンソロジーと言う割に、すべての作品が、いやらしさとかではなく、とてもアーティスティックな雰囲気。
登場する女性たちの感情の、表には出さない部分が繊細に描かれ、客観的、ある意味落ち着いた感じの官能な世界が広がっていました。
(分かりづらくてすみません^^;)
個人的に好きだったのは、
「ポルノ姫」娼婦の話。
「蜜しぼり」SMの話。
「指と首」生徒と関係を持ってしまうピアノ講師の話。の3作品。
この本をきっかけに、「蜜しぼり」遠野りりこさんの本をAmazonで購入しました。
(まだ読めてません…)
今回、購入のきっかけとなった、宮木あや子さんの作品、「指と首」は、この6つの作品の中で、1番感情が剥き出しになる場面があり、1番後味が悪いものでした…
宮木あや子さんの作品は、残酷でも美しいイメージだったのですが、「あぁぁあぁぁ‼︎」などの悲鳴のような叫びの表現、水や血から連想させる生々しさや、怒り狂う女の恐怖と醜さがあり、今までのイメージと違う世界観。
このお話には、金魚水槽がひっくり返され、金魚が投げ捨てられるような場面が出てくるので、金魚を飼っている私にとって、尚更ダメージがありました…。
まぁ、でも好きな作家さんなのでね…^^;
いいのです。
現実世界に仄かな官能と刺激を。
アーティスティックな作品がお好きな方にオススメです。
(追伸。全然関係ないのですが、南綾子さんと宮木あや子さん、漢字は違えど名前を読むと、似ていますね…。)